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クラウドゲート Presents「エリュシオンTRPG」製作者インタビュー

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発売がいよいよ間近に迫った「エリュシオンTRPG」。
「エリュシオンTRPG」制作の中心である冒険企画局・河嶋氏と、
オンラインゲーム版『エリュシオン』の総指揮にあたっているクラウドゲート・黒澤氏に、作品の魅力に関してコメントをいただいた。

――はじめに、「エリュシオンTRPG」の紹介をお願いします。

冒険企画局・河嶋氏(以下、河嶋):PBW「エリュシオン」は天使や悪魔と戦う“退魔モノ”と“学園モノ”を足した作品なのですが、TRPG化するにあたってはそれらの要素をただ抽出するだけでなく、かなり大胆にアレンジを加えています。
来年1月に発売予定の基本ルールブックでは“学生たちのちょっと破天荒な日常”が楽しめる様、主に学園要素をフィーチャーしています。キャラクターは撃退士と呼ばれる特殊な職業に就いているのですが、本業である学生という部分を強調して、未成熟なキャラクターならではの魅力を出せればと思っています。
もちろんバトル要素もかなり激しく楽しむことができますので、ご期待ください。

クラウドゲート・黒澤氏(以下、黒澤):「エリュシオンTRPG」は、オンライン上での各種サポートの充実を積極的に行っていきます。従来であれば専門誌でしか手に入らない情報をオンライン上で公開したり、お金を出さないと入手できない様な素材の配布を公式で行ったりなど、TRPG作品で一番幅広いサポートを行っていきます。

――TRPGは動画上では「クトゥルフ神話」をはじめとした“非日常・戦闘モノ”が主流、そうでないところではファンタジー戦闘系が主流という印象が強いですが、「エリュシオン」は日常色が強い現代学園作品です。TRPG化するにあたって苦労された点はありましたか?

河嶋:「エリュシオン」はPBWという原作がすでに出来上がっていますので、TRPG化にあたっては原作を理解して、噛み砕いていくことに少し時間がかかりました。PBW自体が日々進化していくものですので、続々追加される情報や仕様に追いついていかなければならない点も苦労したポイントでした。
ただ黒澤さんが、「TRPGとして面白くなるようにどんどん変えていただいて結構です」と、かなり自由にやらせてくださったので、とても助かりました。学園ものの特色である日常の部分をTRPGに落とし込めてるんじゃないかなー、と思っています。色々な意味で、ぼくらしいデザインになっていると思います。えへへへ。

黒澤:発売に際して、このゲームをオンラインゲーム版「エリュシオン」のファンブックにしてはいけないということは一番注意していたところで、TRPGとして面白いのであればそちらを最優先していただきました。お互いの伝言ゲームの待ち時間で十分な制作期間が取れなくなり、ゲームの完成度が低くなってしまっては問題ですので、ルール部分はほぼお任せした形になりました。
それだけに、TRPGファンの方にも大満足のゲームシステムが出来たと思います。・・・あっ、世界観チェックはやっていますのでオンラインゲームユーザーの方もご安心ください。

↑恋と冒険の学園RPG エリュシオン。学生としての日常と、シリアスな戦闘の両方が楽しめる。
TRPGでは、冒険企画局ファンならおなじみの『ランダム表』も充実しており、波乱万丈の学園生活を楽しむことができる。↑

――ずばり「エリュシオンTRPG」の魅力はなんでしょうか?

河嶋:「みんなで遊ぶ一体感」でしょうか。『エリュシオン』には、“アシスト”というルールがありまして。これは、一つの判定をみんなで一緒にやるというものなんです。これがかなり楽しいです。このルールを使うと、ゲーム中に起こる大成功も、大失敗も、みんなで一緒に味わうことになるんです。
誰かが大成功しているので、それにのっかって美味しいところをもらおうとしたら、大失敗になっちゃって、みんなで「ファンブル表」を振るはめに……なんて大惨事が待っていたりします(笑)。
「お前のせいでー」とか、ワイワイ盛り上がるのは、すごく楽しいですよ。

黒澤:先ほども申しましたが、作品の内容以外の部分でもオンラインセッション支援と共に、通常のコンベンション支援など、遊ぶためのサポートを充実させていくなど、リアルタイムで要望に応えていきたいと考えています。
 河嶋さんに作っていただいたゲームが、『遊びやすく、充実したサポートをお届けできれば面白い』。
という、手軽に遊べて、遊んでいただいた方に長く、確実に楽しんでいただける。いわゆる“遊ぶためのハードルが低い”と感じていただけるようにサポートはおこなってまいります。
シンプルですが、実際に遊ばれる方にとっては大きな魅力であると思います。

――作品のサポートという点についてのこだわりが見えますね。

黒澤:アナログとデジタルの違いこそあれ、TRPGは交流して遊ぶゲームだと思いますので、オンラインゲームの運営で基本となる『継続的にあそべるサポート』『交流相手が見つかるサポート』『作品の楽しさを知っていただくプロモーション』『ユーザー発の企画を支援するサポート』という手法はそのまま使えると考えました。
 並びに正直なところ今回TRPGのルール関係に関しては冒険企画局さんに相当な部分を作成していただいていますので、役割分担として我々が作品に貢献できるとすればこういったところかなと思いまして。
 動画サイトでのTRPGの隆盛に比べて、業界は外部から見ればそれほど盛り上がっていないように思えます。それは実際にTRPGを遊ぶためのハードルが高いことも原因であると考えているので、ハードルを低くすることで、業界全体のパイを広げられればと考えています。

↑ サポートサイトでは関連した4コマ・ノベル・素材などを提供。発売後はエリュシオンに関連するリプレイやシナリオもサポート予定 ↑

――オンラインのサポートといえば、両社とも「どどんとふ」サーバーの公式実装を宣言されていますが、「どどんとふ」をはじめとするオンラインセッションにはどういった認識をお持ちですか?

河嶋:みんなと顔付き合わせて遊ぶ従来のセッションに比べると、情報が変化するのが面白いですよね。例えば、テキストチャットを使って遊ぶなら、伝達手段が「声」じゃなくて「文字」になって。文字だからこそ伝わる面白さとか、そういうところが強調されたり。声のときに使っていたテクニックが使えなくなったり。ヴォイスチャットを使って遊ぶなら、今度は「声」のファクターがすごく大きくなって。「あ、この人、こんなカッコイイ声してたんだ」とか気づいたりして面白かったり。そういう微妙な表情の変化が楽しいです。

黒澤:こんなに充実しているフリーツールがあるんだな……というのが最初の印象です。
なんとかオンラインでTRPGができるサポートをできないかと思っていた段階で存在を知ったので、ちょうど渡りに船だった印象です。
オンラインセッションは、現代人のライフスタイルから考えても、おそらくオフセッションと同じくらい大切になってくると思いますので、大切にしていきたいですね。

河嶋:離れた場所の人と簡単に遊べるのも、すごく魅力ですよね。『エリュシオン』のオンラインコンベンションとかしてみたいです。

――TRPGは書面、紙媒体でのサポートに重点を置かれる方も多いと思うのですが、既存のTRPGユーザー向けのサポートにはどういったお考えをお持ちですか?

河嶋:『Role&Roll』さまの方で、シナリオや追加データなどを発表していきたいと思っています。「イベント予告」という一風変わったルールもあるので、これを使ったちょっと突っ込んだ内容のシナリオ作成法なんかも紹介していきたいと思っています。せっかく参加者のみなさんでつくりあげていく「WT」を原作にしているので、「紙WT」と称して、読者参加ゲームとかもお願いしてみたいですね。

黒澤:Role&Roll にはサポートしていただいている紹介記事のほかにも、広告も出稿させていただいています。オンラインゲームのPRも当然出してはいきますが、たとえば100号の記事はBCコン(※2月2日に開催される冒険企画局・クラウドゲート合同イベントのこと)がメインですし、紹介記事のほかにも、広告紙面も同様にサポートに使っていければと思います。

――すでに公式体験会を何回か開催されていますが、手ごたえはいかがでしょうか。

河嶋:面白かったと言ってくださる方も多いのですが、GMやプレイヤーのみなさんがうますぎるせいで、あまり安心できません(笑)。やっぱりテーブルトークRPGは、みんなの相性とか、人間力そのものが如実に面白さに反映されるので……。ただ、WTの参加者の方で、初めてテーブルトークを遊びに来たという方が、みんなと一緒になってワイワイ盛り上げっていたのを見たときは嬉しかったですね。

黒澤:正直なところ自分はあまり公式体験会をあまり見られていないのですが、隣の部屋でオンラインゲームの更新をしている最中に笑い声がかなり聞こえてきて、いいなーと(笑
ただ、先日リプレイ収録用のセッションを声優さんがおこなっているのを見学させていただいたんですが、いや、こんなに楽しいゲームだったんだなエリュシオンTRPGはと、思わず思ってしまいました。
立場をわきまえずに思わず参加したくなりました。
TRPG初心者のボイスアクターさんも、超ベテランのスタッフの方でも楽しめていたので、これはいけるなと思いました。

↑TRPG体験会は毎月クラウドゲート本社にて開催中。写真は体験会の様子↑

――最近は盛り上がりを見せているTRPGですが、これからのTRPGに対して期待することなどはありますか?

河嶋:ぼくは、TRPGって基本的には仲間内で集まって楽しむ、いわゆる内輪向けなものだと思うんですよ。親や親戚に、どんなものか説明するのに、いつも苦労しますし(笑)。でも、リプレイとか、動画とか、オンラインセッション用のツールなんかもそうですが、最近は、そうした遊びを外側に向かって発信する方法がどんどん増えてきたように思います。これを使って、もっとテーブルトークRPGの魅力を、みんなと共有できたらいいなー、と思っています。で、そういうのに疲れたら、またどっぷりひきこもって、見落としていた内輪の幸せを再発見したりしてみたいです(笑)。

黒澤:一冊目をこれから出す身分なのであまり大きなことは言えませんが、TRPG原作の作品がもっと出てくるような雰囲気ができるといいと思いますね。

――最後に、「エリュシオンTRPG」を心待ちにされているユーザーの皆様に一言お願いします。

河嶋:私自身もオンラインセッションツールを使って、セッションにゲームマスターとして参加させていただく機会も出てくると思いますが、その時は手加減していただければ助かります(笑)
 また、その時に「もっとこういう風にしてほしい」といった要望があれば、どんどん教えて欲しいですね。「エリュシオンTRPG」は皆さんの声を反映して、皆で楽しい作品にしていきたいと考えていますので、応援よろしくお願いします。

黒澤:一般的に版権ゲームというとTRPGに限らず、作品にあまり良いイメージがないかもしれませんが、版権がセットであるからこそできることもありますので、「エリュシオンTRPG」ではそういった部分を実行していきたいと考えていますので、ご期待ください。

――ありがとうございました!


河嶋 陶一朗
冒険企画局所属のゲームデザイナー。
代表作はテーブルトークRPG『迷宮キングダム』(冒険企画局刊)、
『サタスペ』、『ピーカーブー』、『シノビガミ』、『マギカロギア』(新紀元社刊)。
今回、完全新作となる『恋と冒険の学園RPG エリュシオン』の制作にあたる。

黒澤 広尚
クラウドゲート株式会社所属のオンラインゲーム部門統括。
WTRPG(PBW)ではWTRPG2『サムライキングダム』からライター所属。
WTRPG5・6で運営統括を経験し、
WTRPG7『CATCH THE SKY~地球SOS~』、WTRPG8『舵天照』、WTRPG9『エリュシオン』において立ち上げから総指揮をおこなう。
『恋と冒険の学園RPG エリュシオン』では、サポートを中心に運用する。イベント情報

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